「Evernoteにためてきたメモを、Claudeとの会話でそのまま使えたら」。日々の仕事でAIを使い始めると、多くの人がこう感じます。ノートをコピーして貼り付ける手間は、毎日のこととなると意外に重いものです。
2026年8月、Evernoteは「Evernote MCP」を公開しました。これを使うと、ClaudeがあなたのEvernoteのノートを検索し、読み、新しいノートを作れるようになります。設定は画面の操作だけで、数分で終わります。
この記事で答える問いは、次の3つです。
- Evernote MCPとは何か。Claudeとつなぐと、何ができるようになるのか
- ClaudeにEvernoteをつなぐには、どの画面で何を押せばよいのか
- つまずきやすいのはどこか。仕事のノートをつなぐとき、何に気をつけるのか
結論:ClaudeとEvernoteは、Evernoteが2026年8月に公開した公式の接続口「Evernote MCP」(ベータ版)でつなぎます。Claudeの「コネクタ」の画面で「Evernote」を検索して追加し、Evernoteにサインインして許可すれば接続でき、APIキーの発行などは要りません。使えるのはEvernoteの有料プランで、無料のBasicプランは対象外です(2026年10月時点)。
Evernote MCPとは
Evernote MCPは、Evernoteが公式に提供するMCPサーバーです。MCP(Model Context Protocol)は、Anthropicが2024年11月にオープンな規格として公開した、AIツールと外部のサービスをつなぐための共通の仕組みです。サービス側がMCPに対応した窓口(MCPサーバー)を用意すると、対応するAIツールからそのサービスを操作できるようになります。
公式ページでは「Claude、ChatGPT、その他MCP対応クライアントが、あなたの許可のもとでノートの読み取り・検索・作成を行えます」と説明されています。

Claudeとつなぐとできること
Evernote MCPにつないだClaudeができる操作として、Evernoteの開発者向けページでは以下が案内されています。
- ノートを、キーワードや意味で検索して読む
- 新しいノートを作る
- ノートブックやタグを整理する
- タスクを管理する
- 添付ファイルを扱う
できる範囲は、あなたのEvernoteアカウントがもともとアクセスできる範囲に限られます。共有されていないノートが見えるようになる、ということはありません。
始める前に確認すること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Evernoteのプラン | Evernote公式ヘルプでは「すべての有料ユーザー」が対象で、法人向けのEnterpriseプランは近日対応予定とされています(2026年10月時点)。無料のBasicプランは対象外です |
| 提供状況 | ベータ版。Evernoteは、機能や対応するAIツールが今後変わる可能性があるとしています |
| Claudeのアカウント | claude.ai、またはClaudeのデスクトップアプリにサインインできること |
| 会社のアカウントの場合 | Claudeの Team/Enterprise プランでは、コネクタは組織のオーナーが追加します。EvernoteのBusiness/Teamsでも、管理者がMCPの利用を管理できます |
プランや提供状況は変わることがあります。実際に設定する前に、参照情報に挙げた公式ページで最新の内容を確かめてください(本記事は2026年10月時点の情報です)。
EvernoteとClaudeをつなぐメリットは?
最大のメリットは、コピーして貼り付ける手間なしに、自分がためてきたメモをそのまま材料にして、Claudeと考えられることです。つなぐ前は、ノートを開いてコピーし、会話に貼ってから頼む流れでした。つないだあとは、「Evernoteで〇〇に関するノートを探して、要点を整理して」と頼むだけで、探す・読む・まとめるが1つの会話で終わります。
- 貼り付けが要らない:ノートが増えるほど、探して貼る手間が省けます。
- 一般論ではなく、自分のメモに沿った答えになる:会議メモ、読書メモ、調べものの蓄積を根拠に、次にやることや確認したい点を整理させられます。
- 結果をノートに戻せる:整理した内容を新しいノートとして保存できるので、AIとのやり取りが、あとで探せる蓄積になります。
- 範囲と操作を自分で決められる:Claudeが触れるのは自分のEvernoteアカウントの範囲だけで、書き込みなどの操作は許可の方法を選べます(くわしくは後の手順で説明します)。
向き不向きもあります。Evernote MCPはベータ版で、法人向けのEnterpriseプランは近日対応予定です(2026年10月時点)。そのため、全社に一斉に配る仕組みというより、まず自分のメモで試し、AIに道具を持たせると仕事がどう変わるかを手元で体験するための入り口として使うのが現実的です。新しい道具は、説明を聞くより、自分で操作して自分の言葉で説明できるようになった人から周りに広がります。
ClaudeにEvernoteをつなぐ手順
Claudeの「コネクタ」の画面で「Evernote」を検索して追加し、Evernoteにサインインして許可すれば接続できます。ここでは、Claudeのデスクトップアプリで設定した画面を使って説明します。ブラウザのclaude.aiでも、流れは同じです。
手順1:コネクタの画面を開く
Claudeの設定から、コネクタの管理画面を開きます。プロジェクトの設定画面からは、「環境」の「コネクター」にある「コネクタを管理」を選びます。

通常のチャットから設定する場合は、「カスタマイズ」→「コネクタ」(英語表示では Customize → Connectors)から同じ画面を開けます。画面の説明にもあるとおり、ここで追加したコネクタは、ほかの会話やプロジェクトでも使えます。
手順2:「Evernote」を検索して追加する
コネクタの画面で「探索」タブを選び、検索欄に「Evernote」と入力します。提供元が「Evernote」になっているものを選び、右上の「+」を押します。

Evernoteのコネクタには「コミュニティ」というラベルがついています。Anthropicの説明によると、これは第三者(ここではEvernote)が作ったコネクタで、Anthropicが掲載前に確認はしているものの、詳しい審査まではしていないことを示します。提供元がEvernote本体であることを確かめてから追加します。
手順3:Evernoteにサインインして許可する
「+」を押し、表示される案内に沿って進むと、Evernoteのサインイン画面が開きます。デスクトップアプリから操作した場合は、ふだん使っているブラウザで開きます。Evernoteのアカウントでサインインし、Claudeにアクセスを許可します。
Evernote MCPはOAuth(パスワードを渡さずに、サービス側の画面で利用を許可する仕組み)を使っています。APIキーを作ったり、コピーしたりする必要はありません。
手順4:「接続済み」と表示されたら完了
許可が終わると、ブラウザに「接続済み」と表示されます。デスクトップアプリを使っている場合は、ブラウザに「このサイトは、Claude を開こうとしています。」という確認が出るので、「開く」を選ぶとアプリに戻ります。

コネクタの画面に戻り、Evernoteが自分のコネクタとして表示されていれば設定は完了です。
補足:URLを指定して追加する方法
Evernoteの開発者向けページでは、デスクトップアプリの「カスタムコネクタを追加」に、サーバーURL https://mcp.evernote.com/mcp を入力して接続する方法も案内されています。コネクタの一覧にEvernoteが出てこない場合は、こちらの方法を試してください。
接続したあと、会話でEvernoteを使うには?
会話でEvernoteを使うには、その会話でEvernoteのコネクタをオンにしてから、Evernoteを使う依頼を送ります。Claudeが操作の許可を求めてきたら、内容を見て許可します。
- コネクタがオンになっているか確かめる:メッセージ欄の「+」から「コネクタ」を開き、Evernoteのスイッチがオンになっているか確かめます。オフの会話では、Claudeは Evernote を使いません。
- Evernoteにあるものを頼む:「Evernoteで〇〇に関するノートを探して要約して」のように、Evernoteを使う依頼を送ります。
- 操作を許可する:Claudeがノートを読んだり作ったりする前に、許可を求められることがあります。その回だけ許可するか、その操作は常に許可するかを選べます。
許可の設定は、あとからコネクタの画面で変えられます。Evernoteのコネクタを開くと、操作の種類ごとに「常に許可(Always allow)」「承認が必要(Needs approval)」「ブロック(Blocked)」を選べます(表示名は画面の言語によって異なることがあります)。使うのをやめるときは、同じ画面で接続を解除できます。
つまずきやすいポイント
つまずきの多くは、Evernoteのプラン、アプリへの戻り方、会話ごとのスイッチ、書き込みの許可の4つで起きます。
Evernoteが無料プランのままだった
Evernote MCPは、無料のBasicプランでは使えません。サインインまで進めても使えないときは、まずEvernoteのプランを確かめてください。
ブラウザでサインインしたあと、アプリに戻れない
デスクトップアプリから設定すると、サインインはブラウザで行います。許可が終わってもアプリの画面は自動では切り替わらないことがあります。「接続済み」の画面で「デスクトップアプリを開く」を押せば戻れます。ブラウザのタブは閉じてかまいません。
接続したのに、Claudeがノートを見てくれない
会話ごとのコネクタのスイッチがオフになっていることがあります。メッセージ欄の「+」→「コネクタ」で、Evernoteがオンになっているか確かめます。
ノートの作成や削除を「常に許可」にしてしまう
Evernoteは、作成・編集・削除などの書き込み操作は、ほかの自動化と同じく、確定する前に内容を確かめるよう案内しています。慣れるまでは、読み取り以外の操作は「承認が必要」のままにしておきます。
AI活用のポイント:ノートを材料に考える
ノートを材料に考えさせるときは、探す範囲、まとめ方、書き込まないことの3つを指示に入れます。たとえば、会議メモや読書メモから、次にやることを整理させる使い方があります。
Evernoteで、タグ「定例会議」がついた直近1か月のノートを探してください。次の順でまとめてください。1. 会議で決まったこと(ノートごとに1〜3行)2. まだ終わっていないように見える宿題と、その担当(ノートに書かれている範囲で)3. 次回の会議で確認したほうがよい点を3つノートに書かれていないことは推測で補わず、「記載なし」としてください。まとめはチャットに表示するだけにして、ノートの作成や編集はしないでください。
最後の1行のように、書き込みをしてほしくないときは、はっきり伝えておきます。ノートとして保存したいときは、内容を確かめてから「このまとめを新しいノートとして保存して」と頼みます。
仕事のノートをつなぐ場合は、AIツールにノートの中身を渡すことになります。会社のルールや、扱ってよい情報の範囲を先に確かめておきます。新しいツールを組織に根づかせる考え方は、ADKARモデルの記事でも解説しています。MCPで道具とつながったAIが、手順を自分で決めて仕事を進める仕組みがAIエージェントです。その基本と任せ方は、AIエージェントとは?生成AIとの違いと最新動向で整理しています。
チェックリスト:接続の前とあとに確かめること
- Evernoteが有料プランになっている(法人向けのEnterpriseプランは近日対応予定。2026年10月時点)
- Evernote MCPがベータ版であることを理解し、公式ページで最新情報を確かめた
- コネクタの提供元が「Evernote」であることを確かめてから追加した
- サインイン画面で、許可する内容を読んでから承認した
- 会話の「+」→「コネクタ」で、使いたい会話だけEvernoteをオンにしている
- 作成・編集・削除などの書き込み操作は「承認が必要」にしている
まとめ
- Evernote MCPを使うと、ClaudeからEvernoteのノートを検索・読み取り・作成できます(2026年10月時点でベータ版、Evernoteの有料プランが必要)
- 設定は「コネクタを管理」→「Evernote」を検索して追加→Evernoteにサインインして許可、の流れで、APIキーは要りません
- 書き込み操作の許可と、会社のルールの確認を先にしておくと、安心して使えます
冒頭の「ノートをコピーして貼り付ける手間」は、数分の設定と引き換えになくなります。浮いた時間は、ためてきたメモを読み返して考えるほうに回せます。
関連記事
参照情報
- Evernote「Evernote MCP」
- Evernote Developers「Evernote MCP」
- Evernote Developers「Claude」(Claudeへの接続方法)
- Evernote Developers「FAQ」
- Evernote Developers「Limitations」
- Evernote「What’s new」(2026年8月4日の Evernote MCP )
- Evernote ヘルプセンター「Evernote MCP (Model Context Protocol)」(対象プラン)
- Claude「Get started with connectors」
- Claude「Connector verification」




